沖縄県内の火力発電所、休廃止へ

地理的事情により、水力発電や原子力発電に頼れないため、火力発電に頼り切っていた沖縄県。
しかし、CO2削減を目指す世界の流れに逆行していることで、国も重い腰を上げ始めました。
その影響が沖縄県にも出てきたわけです。

沖縄県内の火力発電所について調べてみました。

火力発電所の基礎知識

そもそも発電所って・・

発電させるためには、タービンを回す動力が必要です。

・水力発電・・・水の流れでタービンを回します。
・風力発電・・・風の力でプロペラを回し、タービンを回します。

循環して何度も使える動力として、水を熱して発生する『蒸気』も有効です。
蒸気を冷やすことで再び水に戻りますので、タービンを動かすのに繰り返し使えるわけで、それが蒸気機関となります。
蒸気機関を応用した発電が以下のものです。

・火力発電・・・石炭・重油・ガスなどの化石燃料を燃やした熱エネルギーを利用
・原子力発電・・・放射能物質の核分裂反応による熱エネルギーを利用
・地熱発電・・・地下のマグマの熱エネルギーを利用。

火力発電所の燃料の違いによるメリット・デメリット

石炭は、温暖化の原因となる二酸化炭素(CO2)や、大気汚染や酸性雨の原因となる窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化物(SOx)の発生量が多く、世界的な批判が強まっています。

代替案として、LNG(天然ガス)が挙げられていますが、それでもCO2の発生量が石炭の6割程度。価格や調達の柔軟性にも課題があります。

石炭 石油(重油) LNG(天然ガス)
経済性 ×
調達の柔軟性 ×
環境性 ×
備考 安価だがCO2排出量が最も多い。 価格の変動が大きく不安定。反面、取引の契約期間が短く貯蔵性が高いので、調達はしやすい CO2の排出量が石炭の6割程度。石油よりは安いが価格変動は石油に準じて不安定。また、長期契約で貯蔵にも手間が掛かるので、調達の柔軟性は低い。

燃料による環境負荷の違い
燃料による環境負荷の違い

沖縄県の火力発電所

沖縄県内の火力発電所

沖縄では、島々で構成された地理的特性があります。
台風が多いため風力発電の扱いも難しい。
水源も乏しいので、大規模な水力発電は難しい。
原子力発電、地熱発電も難しい。

どうしても火力発電に頼らざるを得ない事情がありました。

2013年頃は99%が火力発電所でした。
火力発電の依存率99%、美しい島に再生可能エネルギーを

2018年の沖縄電力発表による電源構成を見ても、94%が火力発電、6%が再エネによる発電とのことです。

H30 沖縄電力の電源構成
2018年 沖縄電力の電源構成

ところが、ご存知の通り、化石燃料を大量消費し、温室効果ガスを大量に排出する火力発電は、地球温暖化による気候変動をもたらすという、国際的な問題に直面しているわけです。

沖縄県内の主な火力発電所
発電所名 管轄/場所 燃料 最大出力 運転開始
具志川火力発電所 沖縄電力
うるま市
石炭・木質バイオマス
(汽力)
31万2千 kW 1号機:1994年3月
2号機:1995年3月
金武火力発電所 沖縄電力
金武町
石炭(汽力) 44万 kW 1号機:2002年2月
2号機:2003年5月
石川火力発電所 沖縄電力
うるま市
重油(汽力)
灯油(ガスタービン)
25万 kW
10万3千 kW
1号機:1974年6月
2号機:1978年6月
1号ガスタービン:1992年5月
石川石炭火力発電所 電源開発
うるま市
石炭(汽力) 31万2千 kW 1号機:1986年11月
2号機:1987年3月
吉の浦火力発電所 沖縄電力
中城村
LNG(汽力) 50万2千 kW 1号機:2012年11月
2号機:2013年5月
牧港火力発電所 沖縄電力
浦添市
重油(汽力)
灯油(ガスタービン)
12万5千 kW
16万3千 kW
9号機:1981年5月
1号ガスタービン:1977年5月
2号ガスタービン:1990年5月
宮古第二発電所 沖縄電力
宮古島市
重油(内燃力) 5万5千 kW
石垣第二発電所 沖縄電力
石垣市
重油(内燃力、ガスタービン) 7万6千 kW

沖縄県内の火力発電、合計6基が休廃止検討

政府の方針により、上記の表の赤字で記した県内3発電所、合計6基の火力発電所が休廃止の検討対象となったようです。

いずれも、二酸化炭素の排出量が多い旧タイプの石炭火力発電です。

琉球新報 沖縄県内石炭火力発電所休廃止へ
2020年7月4日 琉球新報より

日本は国の面積に対して、CO2排出量が多い国ということで、世界的な批判を受け、ようやく政府も重い腰を上げたというところでしょう。
環境省の方針により、沖縄県としても動かざるを得ないのだろうと思います。

時代の流れを感じますね。

代替エネルギーとして再生可能エネルギーを利用したいところですが、大規模なメガソーラーに適した土地はありませんし、国が進める洋上風力は、台風の影響で沖縄は適地とは言えません。

地道な屋根の上などへの太陽光の設置増設と、小規模なバイオマス発電施設などの数を増やしていく必要があります。

代替施設として吉の浦火力発電所のようなLNGを主燃料とした火力発電所が建設する声も挙がりそうですが、聞いた話によると現実それも厳しいので、何とか国にお願いして沖縄だけ特別に許してもらうようお願いするのではないかと・・。

 

結局、急に休廃止できるわけでもありません。
新しい発電所作るのに10年掛かるのだとか。
2030年、間に合わない・・・?
それでも知恵を絞って『低炭素社会のモデル地域、沖縄』くらいを目指したいですね。


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