宮古島で無料で太陽光発電と蓄電池を設置できるサービス
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宮古島の再生可能エネルギー普及事業?
沖縄県の宮古島は、「エコアイランド宮古島」として以前から島の環境改善やエネルギー問題の改善に市が積極的に取り組んでいます。
そんな宮古島で、宮古島未来エネルギー(MMEC)という会社が行っている、太陽光発電と蓄電池が無料で設置できるサービスがあります。
でも、『無料』って聞くと、胡散臭いと思う方が多いようです。
管理人の親しい人が、MMECで働いている人がいて、詳しい事情を聞いておりますので、今回はこのサービスについてまとめてみました。
無料ってうさんくさい?
太陽光発電システムや、蓄電システムは、通常購入して設置しようとすると、とても高価なものです。
最近の太陽光発電の相場を調べてみました。
※参考:太陽光発電の設置費用の相場は? - くらしTEPCO
太陽光発電設置費用の相場(リフォーム設置 2021年)
太陽光発電システム 1kWあたり30.2万円
※参考:太陽光発電の設置費用の相場は? - くらしTEPCO
メーカーや地域によって多少の価格差はあるでしょうが、上述の数値を利用してみます。
例えばこのMMECのサービスである、パネル20枚で6.7kWを既存の家にリフォーム設置しようとすると、
30.2万円×6.7kW = 202.34万円(約203万円)
という費用が掛かります。
さらに、蓄電池を設置する、となるとどうでしょう。
こちらもMMECのサービスであるPanasonic製の容量5.6kWhの蓄電システムを例に挙げてみます。
Panasonic製 蓄電システム(蓄電容量5.6kWh)の価格
定価 171万円
さらに設置工事の費用も掛かります。
施工業者にもよりますが、およそ30万円と見積もってみましょう。
太陽光パネル + 蓄電システム 設置価格
太陽光 203万円 + 蓄電池 171万円 + 工事費30万円
= 設置価格合計 404万円
となります。
MMECのサービスを利用すると、
この初期費用約 400万円が無料になる、ということになります。
たしかに、うさんくさい? ですね 笑
どんなサービスなの?
宮古島未来エネルギー MMECが行っているサービス、改めてどんなサービスなのでしょうか?
MMECのサービス内容
- 太陽光発電システムと蓄電池をセットで無料設置する
- プランにより、エコキュート(次世代電気給湯器)やEV充電器(電気自動車用充電器)も設置できる
- 設置した太陽光発電で作られた電気を自家消費すると、プランに応じた使用した分の電気料金やお湯の使用料金をMMECに支払う
- 沖縄電力との契約はそのままで、自家発電分以外の電気料金は、今まで通り沖縄電力に支払う
- 電気代をMMECと沖縄電力に支払うことになるが、基本的にトータルで今までより安くなる
- 停電の時に使えるコンセントが設置できる(プランによっては、停電時に家中全ての電力を賄うことも可能)
利用者のメリットは?
利用者のメリットとしては、やはり高額費用となる太陽光発電システムおよび、家庭用蓄電池が無料で設置できる点が大きいですね。
他県でも同じようなサービスがありますが、蓄電池もセットで行われているのは2021年現在では沖縄だけのようです。
台風で停電が多い宮古島では、蓄電池がセットになっているというのは大きなメリットの一つになると感じます。
その他のメリットも含めて以下にまとめてみました。
利用者のメリット
・高額な初期費用が無料
・電気代が安くなる
・停電時も電気が使える
・気象変動など環境対策に貢献
さらに、実際にシステムを自費で購入の場合と比較したデメリットについても考えてみました。
自費で購入した場合と比較したデメリット
・自家発電した電力は無料ではない
・余剰売電収入は得られない
・設備は事業者所有なので、勝手に操作できない
屋根を貸すことでメリットを得るという仕組みなので、自費購入との違いはもちろんあります。ただし、上記のようなデメリットも、考えようによっては以下のようにメリットとして捉えることもできます。
・自家発電した電力は無料ではない。余剰売電収入は得られない
→代わりに通常より安い電気代で使える
・設備は、事業者所有なので、勝手に操作できない
→代わりにメンテナンスの手間や修理費などもかからない
事業者のメリット・沖縄電力との関係
利用者側として、400万円の設置費用が無料になるのはとても大きなメリットですが、当然、事業者側にもメリットがないと、事業は続きません。
サービス内容によると、事業者側は、初期費用を負担する代わりに、利用者が使った電気代から料金を徴収するという仕組みになっているようですね。
また、MMECに利用料金を支払うことで沖縄電力への電気代が減ることになるので、通常沖縄電力側は良い顔をしないはずです。
しかし、沖縄電力側としてはもともと離島への電力供給への負担が大きく、その負担を減らすために地産地消の電力を研究してきた経緯があり、宮古島のメガソーラーや来間島のマイクログリッドの研究事業に宮古島未来エネルギーが携わってきた経緯があり、宮古島市や沖縄電力も公認の事業ということで広がってきたサービスとのことです。
来間島で電気の「地産地消」達成 全国初、100%太陽光・蓄電池で供給 沖電などが実働訓練
来間島(宮古島市)で再生可能エネルギーの地産地消を目指す「マイクログリッド(MG)」事業に取り組む沖縄電力(浦添市、本永浩之社長)など4者は、太陽光と蓄電池のみで島内96世帯に100%の電力を供給する実動訓練をこのほど実施し、一般家庭につながる実系統でも運用できることを確認したと発表した。同様の取り組みは全国初だという。
沖電のほか、ネクステムズ(浦添市、比嘉直人代表)と宮古島未来エネルギー(宮古島市、同)、宮古島市が共同事業体(コンソーシアム)として手掛けており、2021年度末に運用を開始した。
琉球新報 2022年6月9日 https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1530633.html
きちんと調べてみると「うさんくさい」サービスではなく、事業者にも利用者にもそして、社会にもメリットがある、いわゆる『三方良し』のサービスであることがわかります。
まとめ
宮古島未来エネルギーMMECのサービスって?
・無料で太陽光発電と蓄電池を利用できるサービス
・利用者は設備で利用した分の電気代を支払う
・自然エネルギー活用を普及するための三方良しのサービスと言える