海岸のゴミ問題

粟国島へ行ってきました。
粟国島は人口約700名、周囲12.8kmの小さな島です。
かつては、「粟(あわ)」の産地で知られていて、島名の由来にもなっています。

戦争前には人口5000名を超えた過密島だった時代もあったようですが、戦争を経て今の人口にまで減少していったようです。

飢饉対策用に植えられたソテツが多く残っていて、ソテツの島とも呼ばれています。
※ソテツは実や幹を食用にすることができます。しかし、毒抜きなどかなり手間が掛かり、今では食用加工できる人が減っています。

周囲に他の島もない小さな孤島で、目立った観光資源があるわけではなく、交通も現在は那覇からフェリーで片道2時間以上かけて渡航するしか手段がなく、そのフェリーも一日一便しかないので、必然的に宿泊することが前提となります。
そのため、一般の観光客は粟国島までなかなか出向くことが少ないんですね。

穏やかな海岸 気になるプラごみ

そんな粟国島なので、観光客相手に変に「観光地化」されている訳ではないので、本来の島の自然がそのまま残っている良さがあります。

海岸も人も少なく穏やかで、美しい海と水平線を存分に味わうことができます。

私たち夫婦もそんな沖縄の離島の自然を味わうことができたのですが、一転、気になる光景が拡がっている事実も痛感しました。

それが、海岸に打ち上げられている大量の漂流プラゴミです。

●ヤヒジャ海岸
ヤヒジャ海岸01
ヤヒジャ海岸02
ヤヒジャ海岸03

●東海岸・長浜ビーチ
長浜ビーチのゴミ
長浜ビーチのゴミ
長浜ビーチのゴミ
長浜ビーチのゴミ

長浜ビーチのゴミ
長浜ビーチのゴミ

写真を見てわかるように、プラゴミのメインであるペットボトルの多くは外国製のもので、海外から漂流してきているもののようです。

もしかしたら、定期的にゴミ掃除などがなされているのかもしれませんが、私が行ったときは、あまりそんな様子は感じませんでした。漂流ごみは拾っても、どうせまた来るので、キリがないのでしょう。
完全に「放置」といった雰囲気でした。

粟国島(沖縄県島尻郡粟国村)は、人口の4割近くが65歳以上の後期高齢者で、高齢者の割合が日本で2番目に多い地域だそうです。※一位は渡名喜島。

島には中学校が一つだけ。高校生以上の学生は島から出る必要があります。
島から出た若者が全員島に戻ってくる訳でもありません。
ゴミを拾う労力の確保もなかなか難しいのが現実かもしれません。

どうせまた流れてくるのでキリがないから、そのまま放置するしかないのでしょうか?
放置し続ければ、海岸はますますゴミだらけになり、景観を損ね、不衛生になり、生態系にも悪影響が拡がっていくのではないでしょうか?

対策案

現状では海外からの漂流ごみを減らす根本的な対策は立てにくいのが現状です。
そのため、何もしないよりはマシという、対症療法を施すしかありません。

単純に考えられるのは、海岸に【漂流ごみ専用ゴミ箱】を設置すること。
海岸のあちらこちらに漂流ごみが散乱しているので、
『近くにゴミを集める領域を作る』ことが最優先と考えます。

誰がみても分かるように、『Keep Beauty Beach 美しい海岸づくりにご協力を』と大きく看板を作ります。

【漂流ごみ専用ゴミ箱】に、流れ着いたペットボトルや漁具の浮き球などが入っていれば、心ある人がそこに集めればいいのだと理解して、入れてくれます。

地元の人はもちろん、観光客も協力してくれる可能性も高いです。

ゴミが一定量集まっていれば、持続的観光を継続するために村自治体の協力を仰ぎやすくなります。
漂流ごみ専用ゴミ箱が一杯になってくれば、定期的ゴミ収集のついでに漂流ごみを収集するのも可能になってくると思います。

神奈川県の海岸に設置されているゴミ箱

とてもしっかりしたもののようですが、ポップでの呼びかけも書かれていないため、一般用のゴミ箱のようなので、海辺に来た人がバーベキューのゴミなどを捨てていくといった、別の問題が生じているようです。

神奈川県海岸ゴミ箱

カリフォルニアの海岸に設置されているゴミ箱

こちらは企業のロゴ入りです。複数設置されているようです。

カリフォルニアの海岸ゴミ箱

一応、知り合いの島の人には上記の対策案を伝えてはおきましたが、実際に自治体や観光協会が行動に移されるかどうかは現時点では分かりません。

いずれにせよ、海岸の漂流ごみ問題は粟国島だけの問題ではなく、県のすべての離島の問題だと思います。
といっても行動は足元から進めるしかないとは思いますので、SDGs推進の一環として進めてみる価値はあると思います。

 

観光客の私が感じるくらいですから、心ある島民の方はもっと深刻に考えていらっしゃる方も多いのだと思います。
ゴミを拾うことがビジネスに繋がればいいのですが、この島では現状、現実的ではなさそうです。
【汚れた場所はますます汚れる】という環境法則もありますから、美しい沖縄の海岸を護るためにも人の良心を味方につけて、少しずつでもきれいになっていくことを期待します。
まずは、現状を皆様に知ってもらえれば・・・


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