市町村でリサイクル率を促進させる簡単な方法

リサイクル率を上げたい?地方自治体のゴミ問題

私が数年前、地元沖縄県那覇市の環境審議委員会の市民委員をやっていた時に、市の環境審議会の場で考えさせられたことです。

審議会でのテーマが「ごみ処理問題」に関する内容でした。

現場の各スタッフからの現状などが詳細なデータが記載された分厚い資料を元に、ごみ処理の現状と課題、今後の目標などが発表されました。

日本中どこの市町村であっても、ごみは住民に比例して量がどんどん出されていますので、少なからずそれなりのごみ処理コストが掛かっていることだろうと推測します。
熱量の違いはあれど、どこの自治体でも、ごみ処理に関して同じような会議が開かれているのではないかと思います。

那覇市でも、ごみ処理に伴う埋立地が無限にあるわけではないこともあり、ごみ処理量を減らすためのリサイクル率にも目標値が設定されていました。

その頃はリサイクル率目標20%のところを、当時 15.4%(2018年データ)で、目標にはまだまだ届いていませんでした。

リサイクル率を上げるために、ビンや缶の集団回収にお金を支払ったり、回収場所を増やしたりなど、いくつかの試みをしているようでしたが、そもそも市民のリサイクル意識が高まらないと進みませんので、まだまだ改善の余地はあるように思えました。

そこで、自身もせっかく市民の代表の立場で意見が言える場に参加させていただいているので、どうしたらゴミ回収のリサイクル率が上がるかを考えて調べてみました。

簡単に市町村のリサイクル率を上げる方法

個人的な意見ですが、その際に考えたアイデアは以下の通りです。

簡単に市町村のリサイクル率を上げる方法

各家庭に、年度初めに配布する『家庭ごみ分別一覧表』にて、記載順序の冒頭もしくは前の方に『資源ごみ』の項目を持ってくる

那覇市の家庭ごみ分別収集一覧表

今年の那覇市の『家庭ごみ分別収集一覧表』は以下のような 冒頭に『燃やすゴミ』、次に『燃えないゴミ』、そして結構下の方に『資源化ゴミ』が書かれているタイプです。

市民委員をしていた数年前もそうでしたので、恐らくだいぶ昔からこんな順序だと思いますし、多くの自治体もこのタイプではないかと思います。

沖縄県那覇市の家庭ごみ分別一覧

所沢市の家庭ごみ分別一覧表

那覇市の人口は約30万人くらいです。当時リサイクル率の高い市町村で、那覇市と同じくらいの人口規模の市町村を調べてみると、埼玉県所沢市がありました。リサイクル率28.9%(2018年データ)でした。

最近のものですが、所沢市の家庭ごみ分別一覧表は以下のような状態です。

埼玉県所沢市の家庭ごみ分別一覧

所沢市のものは、ホームページ上からダウンロードできるものは冊子タイプのもののようですね。
冒頭は『燃やせるゴミ』ですが、『資源ごみ』のマークが分かりやすく、さらに細分化されて回収日が多くなっています

市民へのリサイクル意識向上に力を入れている様子が伺えます。

実績を出している市町村のマネをするだけ

ということで、単純に実績を出している市町村の良い部分を真似していくのが一番取り組みやすい事だと思います。

そこで、予算もあまり掛からず取り組みやすいのが、各家庭もしくは各事業者に配布するゴミの分別の仕方の一覧表を使ってリサイクル意識を高める事かと思います。

現場で試したことではありませんが、リサイクル率の高い自治体ではやはり市民啓蒙に力を入れていることは確かですので、SDGsのご時世にも合っているのでそれなりの効果は期待できると思います。

しかしながら、素人一般市民の考えだと簡単なことのように思えましたが、当時市民委員として意見したことは残念ながら採用はされませんでした。

現実は以下のように様々な自治体の問題もあるのだと思います。

地方行政を現場から変える難しさ

市民委員として何度か自治体の会議に参加させていただく機会を頂けたことは大変良い経験でした。
同時に、会議の様子や色々なスタッフからのお話を伺うことを通し、地方行政の運営の難しさを痛感致しました。

以下に感じた課題などを列挙しておきます。

表面的な様子予想される実状
会議はとても形式的。用意された資料で昨年のデータなどを部課長クラスの方が読み上げるだけ。
現場スタッフで意見する人はほぼ皆無。
市役所のスタッフは2~3年ほどで別部署に異動させられる。これは特定業者との癒着問題などを回避するためというメリットもあるが、何か問題があるとすぐに異動させられてしまう事実もあるため、部課長であってもその部署での改善に腰を入れて取り組むという積極性は無くなる傾向にあるように思えた。
結果的に、改善意見を言って出る杭になることを避け、「事なかれ主義」な人が多くなり、あまり行政の本質ではない資料作成などに力を入れて、形式的な会議となってしまう。
組織の大きさによる行動の難しさ自治体など大きな組織は、そもそも新しい事を行動に移すための障壁が高い。
・予算はどうする
・市民の血税を見込みのないことにつぎ込めない
・成功する見込みはどれくらいあるのか
・失敗したら誰がどう責任を取るのか
・上記のような壁を越えて上長の承認が取れるか
→ 誰も責任を取りたくないから行動が難しい
「パブリックコメント制度」の形骸化
→ 市民からの意見はなし
「パブリックコメント」という制度がある。自治体の課題に対して、市民から意見を募集するものだ。しかし、会議に参加してみると、パブリックコメントの発表では、「市民からの意見はありませんでした」というのが通例。あっても1件くらいだろうか。
そもそも市の方が積極的に意見を募集するなんてことは、全くしていない。
国の法律上、市のホームページに掲載しているだけなので、そもそも「パブリックコメント制度」を知っている市民はほぼ皆無だろう。知っていたとしても、一般市民が意見をするのも気が引けるし、市の側のスタッフも、仕事が増えるだけだから、市民からの意見が欲しいなんて実質思っていないのかもしれない。
かくして、市の諸々の課題の改善は、なかなかハードルが高い気がした。
強力なリーダーシップが必要
→トップダウンが歓迎されるか?
以上を考えると、現場からの課題改善が難しいのであれば、自治体の首長による強力なリーダーシップによるトップダウンで様々な問題を解決していくことが望ましい、という事になるかもしれない。
しかし、国の政治同様、自治体でも選挙で選ばれた首長のやろうとすることを現場スタッフが歓迎するだろうか?
まして事なかれ主義になれた現場に、新しい事をやろうとしたら「仕事を増やしがって」と煙たがられるだろうし積極的に首長を支えていこうとする人は少ないのが現状なのかもしれない。

勝手な考察ですが、なかなか地方政治も大変そうですね。

改めて、現実的な自治体課題改善の基本対策

ということで、ゴミのリサイクル率向上に限らず、基本的な自治体課題改善の戦略としては、

自治体課題改善の基本戦略

上手くいっている自治体のやり方を真似する
→ 周囲のスタッフや上長の理解を得やすい

というのが一番現実的な戦略だろうと思います。

実際そのように周囲の自治体の取り組みを真似して真似してを繰り返して今の状態になっているのでしょう。

それぞれの自治体の環境や状況によって、課題も様々違うでしょうが、課題改善に柔軟に動ける自治体が良い自治体に育っていくのでしょうね。

そして、私たち市民も改めて地元の政治にもう少し関心をもって、積極的にパブリックコメントなどで意見をもっと出していくべきなのだろうと感じます。

皆さんも、たまには自治体のホームページを見て、パブリックコメントなどで自分が住んでいる自治体に意見してみませんか?

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です