北極海の氷が消えていく・・

北極海の氷が消えていく。。

日本の国土、3つ分・・

日本国土の面積は378,000㎞2あります。
その3倍ですと、
378,000 × 3 = 1,134,000 km2 となります。

なんだか想像付きにくい広さですが、日本の国土の面積3つ分の広さが何かというと、

この40年で北極の氷が消えた面積です。

この40年で、北極から日本3つ分の氷が消えているのです。
もちろん、地球温暖化が原因です。

北極海氷1979年の最小面積時
北極海氷1979年の最小面積時
北極海氷2005年の最小面積時
北極海氷2005年の最小面積時

※出典:NASA 北極海の氷の大規模損失より

ところで、普段「かき氷」を食べていると分かるかと思いますが、
最初はなかなか溶けにくいけど、氷の量が減ってくると氷の溶ける速度がますます早くなるのを体感されていると思います。

北極でも同様です。

氷の量が減ってきたので、近年ますます氷の量が加速度的に減ってきているというのです。

専門機関の報告

北極海の氷面積比較

北極海の表面積推移 1980年代の平均と2017年の比較
国立極地研究所データより

気象庁

気象庁によると、以下のような悪循環に陥っているとのこと。

○海氷が溶ける

○水面の面積が増える

○太陽の放射熱の吸収率が上がる

○さらに海氷が溶ける

気象変動に関する政府間パネル(IPCC)第5次評価報告書

『1979年以降の北極行きの海氷の減少に人為的影響が寄与していた可能性が非常に高い』

『気候システムの温暖化には疑う余地がなく、また1950年代以降、観測された変化の多くは数十年から数千年間にわたり前例のないものである。大気と海洋は温暖化し、雪氷の量は減少し、海面水位は上昇し、温室効果ガス濃度は増加している』

20~25年後に北極の夏の氷は消滅する?

2011年発表のドイツ・マックス・プランク気象研究所のディルク・ノック氏の気象論文によると、

『あと700億トン~1兆トンの二酸化炭素が大気中に放出されると、北極の夏の氷は消滅する』

とされています。
もちろん、海氷の回復力にも期待したいのですが、論文では『北極の海氷の回復力にも限界がある』とされており、回復力も見込んでの数値発表としています。

まだまだ先の話と思うかもしれませんが、現在のペースがこのまま続くと計算すると、あと20年~25年後、つまり、2037年~2042年頃には北極の夏は大きく様変わりしていると言えるでしょう。

北極グマなどは既に絶滅してしまっているのかもしれません。。

世界中の海面が約6mも上昇する!?グリーンランドも危機

北極海と大西洋に面した巨大な島、グリーンランドをご存じでしょうか?
見慣れた地図ではヨーロッパの上部に位置していますね。

グリーンランドでは、氷床(ひょうしょう)と呼ばれる巨大な氷が大地を覆っています。

氷床は、地球全体の約10%に当たる295万km3の氷の量を誇っています。
このグリーンランドの氷床がすべて溶けると、世界中の海面が約6mも上昇する計算になります。

先に示した北極の氷と共に、近年、このグリーンランドの氷床も地球温暖化の影響で流出が加速度的に進んでいます。

その流出速度はこの10年で約2倍に進んでおり、今では毎年1500億トンという大量の氷床が溶け出しています。

このまま氷床の流出が進むことで、世界中の海面に影響が出てくるのは確実です。

北極の温暖化が世界にもたらす影響

ご存知の通り、陸上の二酸化炭素の量が増えると、二酸化炭素の持つ温室効果の影響で、地球温暖化が進みます。

実は、北極が陸上の二酸化炭素の量を調整する役割の出発点になっているのです。

それはなぜかというと、以下のような理由があるからです。

・二酸化炭素は、低温で水に溶ける性質がある
・水は高温だと水面の上の方に上がっていき、低温だと深いところに潜っていく

北極はその寒さで海流が地球の深層に流れていきます。
その際に陸上の大量の二酸化炭素も海の中に溶け込ませていくのです。

つまり、北極では二酸化炭素を深海に溶け込ませることで、地球温暖化の原因物質を減らしてくれているのです。

という事は、次の悪い循環が予想されます。

①北極の温暖化が進むことで、陸上の二酸化炭素が深海に沈み込む量が減っていく

②北極の永久凍土が溶けると、中に眠っていた微生物の動きが活発になり、ますます陸上の二酸化炭素の量が増えていく

③さらに温暖化が進んでいくという悪循環に陥っていく

地球温暖化の問題は深刻になってきています。
地球の平均気温が2~4℃上昇するという計算も出ています。

やはり地域や国、世界レベルでの温暖化対策を考えていく必要が急務と言えるでしょう。

もちろん、まずは個人レベルから、できるところから温暖化対策に協力してくださることを願います。

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