太陽光発電は化石燃料と比べてコストが高い?
再生可能エネルギーである太陽光発電や風力発電に対し、かつては否定的な学者もいました。
それは、化石燃料に比べて『発電コスト』が掛かる、ということです。
確かに、太陽光発電も普及当初は特に技術が未成熟であったため、発電に対するコストが高いのが実情でした。
それを根拠に、『発電コストが高いんだから、太陽光発電なんてやるやつはバカだ。化石燃料なんか、まだ数千年分あるし、二酸化炭素も植物に必要なんだからいくらでも使ったらいいんだ!』
なんて平気で言う学者(?)もいます。
しかし、2018年1月、世界150カ国以上が加盟している国際再生可能エネルギー機関(IRENA)は、過去1年間の分析の結果、
2020年までに全ての再生可能エネルギーコストが化石燃料エネルギーと同等か、それ以下になる
という予測を発表しました。
日本では普及が停滞気味の中、世界では気候変動などへの対応で、太陽光や風力発電などの化石燃料に代わる様々な再生可能エネルギーが急速に普及していっています。
そういった影響で、今から2年後には発電のコストの差が殆どなくなると言うのです。
発電コストの状況
IRENAが発表した最新の発電コストをまとめた報告書から、主な状況を以下にまとめました。
2010年以降
太陽光発電 | 36セント/kWh → 10セント/kWh 73%削減 2020年までには 3セント/kWh程度になる予定 |
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陸上風力発電 | 発電コストが1/4に。3セント/kWh程度になる予定 |
バイオエネルギー、地熱発電、水力発電 | 化石燃料とほぼ同額になる予定 |
浪費社会から、持続可能な社会へ
いずれ、化石燃料よりも、再生可能エネルギーによる発電の方が経済的、という時代になるわけです。
環境意識だけで市場が動くのは限定的かもしれません。
しかし、再生可能エネルギーのほうが経済的となれば、市場は大きく動くでしょう。
最近では、ソフトバンクグループが同社が太陽光発電プロジェクトで生産される電力を初期投資回収後の25年後に無料で提供することを約束したというニュースもありました。
ソフトバンク、国際太陽光同盟加盟国に無料で電力供給へ 25年目以降
『地球にやさしいエネルギーを使うほど得をする時代は、もうすぐそこまで来ている』のではないでしょうか?