温室効果ガスの算定方法

資料をみていると、『CO2 100kg削減』などという二酸化炭素の削減の目安量を見掛けることがあります。
でも、どうやって計算しているのでしょうか?

実は温室効果ガスの算定方法は『地球温暖化対策推進法』という法律で二酸化炭素の排出量を基準に決められています。

二酸化炭素(CO2)の排出量の算定方法には、「燃料の使用」「電気の使用」の2つの方法があります。

燃料の使用に伴う二酸化炭素の排出量の算定

CO2排出量[kg] = 燃料使用量[L等] × 燃料の発熱量[MJ/L等] × 炭素排出係数[kg-C/MJ] × 44/12[kg-CO2/kg-C]

※地球温暖化対策推進法施行令第3条第1号イ

上記公式を元に、以下の表に記載された係数を用いて計算します。

地球温暖化対策推進法施行令 別表第一(抜粋)
燃料の種類 単位 単位量当たり発熱量 発熱量当たり炭素排出量
ガソリン リットル[L] 34.6 [MJ/L] 0.0183 [kg-C/MJ]
灯油 リットル[L] 36.7 [MJ/L] 0.0185 [kg-C/MJ]
軽油 リットル[L] 38.2 [MJ/L] 0.0187 [kg-C/MJ]
A重油 リットル[L] 39.1 [MJ/L] 0.0189 [kg-C/MJ]
液化石油ガス(LPG) キログラム[kg] 50.2 [MJ/kg] 0.0163 [kg-C/MJ]

例:一般家庭の自動車使用による一年間のCO2排出量

総務省の統計データ※によると、自動車のガソリン給油量の月平均は43.3L、年間で約520Lとなります。
※総務省統計局 平成22~24年調査「ガソリンへの支出」家計調査(二人以上の世帯)

CO2排出量[kg] = 520 [L] × 34.6 [MJ/L] × 0.0183 [kg-C/MJ] × 44/12[kg-CO2/kg-C]

= 1207.2631 [kg-CO2]

自動車を一年間走らせると、約1.2t(トン)もの二酸化炭素を排出している計算になります。

電気の使用に伴う二酸化炭素の排出量の算定

CO2排出量[kg] = 供給された電気量[kWh] × 二酸化炭素排出係数[kg-CO2/kWh]

※地球温暖化対策推進法施行令第3条第1号ロ

例:一般家庭の電気使用による一年間のCO2排出量

電気の使用量は、世帯の人数によって違います。
また、大都市圏や地方など地域によっても差があります。

総務省の統計データ※によると、4人世帯の家庭で電気の使用量の月平均は約400kWh、年間で約4800kWhとなります。
※総務省統計局 家計調査

CO2排出量[kg] = 4800 [kWh] × 0.555 [kg-CO2/kWh]

= 2664 [kg-CO2]

一般家庭で一年間電気を使うと、約2.7t(トン)もの二酸化炭素を排出している計算になります。

家庭からのCO2排出の割合

計算結果、および以下の表からも分かるように、家庭においては電気の使用からの二酸化炭素の排出量が半分を占めています。

家庭からの二酸化炭素排出量 燃料種別

出典)温室効果ガスインベントリオフィス
全国地球温暖化防止活動推進センターウェブサイト(http://www.jccca.org/)より

 

算出方法を見ると、燃料からはもちろんですが、思った以上によりも電気からの換算や使用量でCO2の排出が多いという事が分かります。
考えてみれば、日本の電力の大部分は化石燃料の燃焼に頼っているわけですから、当然なのでしょうが。。


太陽光発電と蓄電池

Follow me!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です