台風は年々大型化、速度も遅くなっている
2018年夏。
異常な猛暑に襲われ、西日本の大雨災害、そして台風13号。。
過去の経験が通じなくなってきていて、温暖化の影響をひしひしと肌で感じるこの頃ではないでしょうか?
2018年6月の『Nature』誌に寄稿された論文の著者である、米海洋大気局(NOAA)気象気候センターのジェームズ・コーシン氏によると、近年の研究で、
「ハリケーンや台風などの熱帯低気圧の移動速度が数十年前より遅くなっている」
ことが統計的に判明した、とのことです。
約70年前からのデータを分析すると、近年の熱帯低気圧は、過去に比べ以下のような結果だそうです。
- 平均で移動速度が10%低下している
- 太平洋北西部では上陸後の台風の速度が30%も低下している
台風などの熱帯低気圧の移動速度が遅くなってきているのは、日本だけではなく、世界的な現象のようです。
なぜ熱帯低気圧の移動速度が遅くなってきているのか?
論文では、理由について、
『地球の極地がほかの地域より温暖化が早く進んでいるせいで、既存の気圧の勾配に変化が生じて、熱帯低気圧を移動させる風が弱まっている』
のだそうです。
分かりやすいように日本で考えてみましょう。
日本では、天気が西から東に移ることでわかるように、日本上空には「偏西風」と呼ばれる西から東へ流れる風が吹いていることが多いです。
ところが上記の温暖化が原因で、その偏西風が極端に弱かったり、あるいは日本上空に吹いていない、ということが頻発するようになりました。
そのため、台風の速度が遅くなったり、通年と違うコースを通ることが多くなったりしているという事です。
予測は現実に。備えを万全にしておきましょう
今から20年ほど前。
温暖化による気候変動に関心が高まっている時代ですが、世界中の気象学者たちが「台風の変化」を予測する試みを行なっていました。
発生数に関しては「増える」「減る」「変わらない」と意見は分かれましたが、強さは関してはほとんどの研究者が「強まる」とていたのです。
そして、20年の月日は流れ現代になり、研究者たちが予測した通り台風は強まっています。
さらに速度も遅くなり、毎回大きな被害を及ぼすようになってきています。
残念ながら、今後時代の流れと共に台風は威力も弱まっていく、といううれしい予測はほとんど聞かれません。
むしろ、予想を超えるレベルの気象変動が起こってくる、という意見が増えているとのこと。。
事実を受け入れつつ、出来る対策を始めていきましょう。